ちきぬたのブログ

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小保方さん騒動にみる超絶ブラック研究人生

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小保方さんのSTAP細胞論文問題における一連の報道を見ていて常に感じていたのは、研究人生って超絶ブラックだなぁということ。

もちろん研究者は自分の興味のある分野で、好きだから研究という道を選んでいるので、研究者自身としては幸せなんだと思う。

しかし、あくまで客観的にという一般人の目から見たら、研究人生ほどブラックなものはない。

あり得ないことだとは思うが、そんなに好きでもない分野で、そんなに好きでもない研究をしていた場合、そう感じるのではないだろうか。

特に理系の実験系研究室の場合に、それは顕著であると思う。

以下に、研究人生が超絶ブラックな理由を挙げてみたい。

1. 勤務時間の長さ

 これは研究室によるとは思うが、ひどいところは午前9時から夜中0時は当たり前、むしろ泊まり込むのは当たり前の研究室すらある。こんなの外資系金融とか、商社、ブラックシステム会社並。もちろん学生の場合は無給。この時点でブラック。

2. 要求される知識レベルの高さ

 とにかく一定レベルまで知識がないと、研究すらできない。
そこまでの知識を獲得するコストに比べて、得られるリターンを考えると割に合わなすぎる。同じ労力で一流の国家資格や創作物、収入源を作れる可能性もあるのに、得られる物は不安定なものばかり。

3. 高すぎる専門性

 研究を行なう為には、その分野における高度の専門性が要求される。逆に専門性が高すぎるために、一旦別の道を探したときにスイッチングコストがかかりすぎる。高度な専門性故に人生における柔軟性が阻害される。

4. 給与の低さ

 これは顕著。学振とかもらえなければ、ほぼ無給で大学4年から博士3年の計6年働かされる。
その後もスーパーポスドクや助教等の職が得られれば良いが、そうでなければ、一般企業並の給料しか得られない。ひどいときはそれを大きく下回る給料となる。常勤の教育職につけなければ、不安定な雇用となる。
 そこまでかけたコストに対して、得られるリターンがやはり低すぎる。

5. 実名&人生ログが残る情報公開度

 小保方さんの場合に顕著であったが、メディアに顔をさらされ、街に気軽に出て行けなくなったのではないだろうか。さらに、過去の論文や理研に入る試験まで調べられてしまう。
 論文という動かぬ証拠があるために、小さなミスであれば、たたかれ、それを却下されてしまう。今まで地道に積み重ねてきた努力と、幸運にも素晴らしい成果に見舞われたギャンブルが、一気に潰されてしまう。

6. 世の中と隔離された環境

 研究という環境は社会から隔離されている。公務員的な立ち位置と、大学という隔離地帯のおかげで、教授によっては理不尽なパワハラがまかり通っていたりする。なぜなら教授はその下のものに対して、評価する権利と、それなりの人事権をもっているに等しいからだ。
 所属する研究室の教授に目をつけられたら最後、その時点で潰されかねない。

7. 頑張っても報われるとは限らない博打性

 研究というのはイノベーションであり、一種の新興ベンチャー企業を起業しているようなものである。
そのような不安定さ、博打性があるにも関わらず、上記のようなブラック的苦悩がのしかかる。
 小保方さんは幸運と努力により世界を変えられるSTAP細胞を作り出した。
 しかし、それでもなお、現実という厚い壁が立ちはだかる。精神的に弱い人なら、小保方さんの状況になったら既に潰れているかもしれない。

以上、あくまで個人的な研究人生に対する考察でした。
少しなりとも研究という人生を経験したちきぬたにとって、小保方さん騒動は立場の弱い1研究者の将来性を様々な組織が叩いて潰そうとしている形になってしまっていることを非常に残念に思う。

小保方さんにはぜひとも報われて欲しいと願わざるを得ない。

ほらあなより愛をこめて
ちきぬた